さぎょうにっき

弦楽器の木工や金属加工

die Reparatur einer Cellodecke

お久しぶりです。
最近全然更新してなかった上、このゼメスターに学校でやっていることを一度もアップしていなかったので(修理を勉強してました)。まあこのゼメスターもあと1週間で終わりなのですが…。

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これは長いこと修理工房にあるチェロの表板で、毎学期少しずつ修理されているものです。右の新しい木は前の前くらいの?学期の人が接着したもので、左は、縁が取れてなくなっていたため、表板の厚みの半分程まで削り、新しい木をL字に加工しはめ込み接着しました。整形はこれからです。中央上は接着した割れの補強材で、ドイツ語ではBeleg(-e)ベレーク(ベレーゲ)と呼ばれます(括弧は複数形)。これは基本的には写真のように長方形か菱形で、チョークを用いて内部アーチに合わせ接着した後、屋根型や蒲鉾型に加工されます。縁の黄色っぽいのはLycopodium(リコポディウム)と呼ばれる植物の胞子で、ボンドと混ぜてパテにして使います。この表板、前の修理の補強材を剥がしてみると、表板に軽くナイフで切込みがしてあり、接着をよくするためなのだと思うのですが、ちょっとどうなの?と思いました。この部分、いくつも割れがあるので、長めの補強材を横に渡して接着します。
表面がボコボコなので、時間がかかってしまいます(全部の作業にまだまだ時間がかかってしまいますが!)。

次のゼメスターからは新作の工房に戻りヴィオラの製作を再開して、それが終わったら一台何らかの楽器を製作します(時間的に多分ヴァイオリン)。